セイコーの1950年代、極めて初期のオートマティックとしてのインジケーター付きです。 これはセイコーが1955年に日本で初めて作った「インジケーター」から何号かはわかりませんが、記念すべき国産初の自動巻き時計で、国産時計の自動巻きの歴史はこの時計からはじまりました。12時位置にある巻印(パワーリザーブ・インジケーター)が最大の特徴で、36時間リザーブを表示します。手巻き時計が主流だった時代に自動で巻き上がっているかどうかを証明するためにインジケーターが付加されたようです。手巻き時計のようにゼンマイを巻き止まりまで巻き上げてから使用せずに、巻き上げが不足した状態から実際に身に付けても十分に巻き上がらず止まってしまうことも想定した上で、巻き上げ不足を示す役割も果たしていたようです。セイコーの企業努力が窺い知れます。当時は大卒初任給よりも高く、多くの人々の憧れの高級時計でした。12時位置のインジケーターと細部に至るまでのこだわりが感じられます。国産時計の歴史に刻まれる気品と風格が漂う至高の逸品です。 初代ムーブメントの石数は17石でしたが、こちらの一本は21石に石数がアップされた後期型のムーブメントにあたります。 竜頭が少し小さめですので純正、オリジナルではないような気がします。またブレスもオリジナルかどうかはわかりませんがエキスパンションするもので、素人採寸で約15㎝です。 約５０年前にコレクションの一つとして買い求めました。 自宅保管をしておりましたので「アンティーク時計、古いもの」としてご理解くださる方にお譲りしたいと思いNCNRでお願いします。 一応ＯＨしてもらいコンディションは良く動作確認済みです。